今さら聞けない附帯請求（ふたいせいきゅう）の法律とは？基本をわかりやすく解説！

附帯請求（ふたいせいきゅう）とは？基本的な解説

附帯請求とは、主たる請求（たとえば、損害賠償請求や契約解除請求など）に付随して行う請求のことを指します。簡単に言えば、ある訴訟の中で主たる請求に対して更に求める内容がある場合、その請求を附帯請求と呼びます。法律上の手続きにおいては、主たる請求と附帯請求が密接に関連しています。

例えば、ある契約の履行を求める訴訟において、契約不履行によって生じた損害賠償を求めることができます。この損害賠償請求が附帯請求に該当します。附帯請求は、主たる請求と合わせて裁判所に提出されるため、一度の訴訟で複数の請求を解決できる利点があります。

附帯請求の主な目的は、訴訟の効率化と一貫性の確保です。訴訟において、主たる請求と附帯請求を同時に扱うことで、裁判所や当事者の負担を軽減し、別々の裁判を行う必要がなくなります。これにより、時間やコストの面でも大きなメリットがあります。

また、附帯請求を通じて、当事者間の争いを包括的に解決することができるため、最終的には法的安定性を高める役割も果たします。これにより、同じ事案について異なる裁判所で別々の判断が下されるという事態を避けることが可能となります。

附帯請求は、様々なケースで利用されます。典型的には、以下のような場合が挙げられます。

これらのケースでは、主たる請求が成立することで附帯請求も認められることが一般的です。

附帯請求を行うためには、まず適切な書類を整える必要があります。一般的な流れは以下の通りです。

附帯請求の提出先は、主たる請求を行った裁判所となります。附帯請求は主たる請求の一部として扱われるため、別の裁判所に提出する必要はありません。

提出する際の注意点としては、以下の点が挙げられます。

期限：附帯請求は、主たる請求の訴訟が進行中の間に行う必要があります。訴訟の終了後に附帯請求を行うことはできません。
書類の形式：裁判所が定めた書類形式に従うことが求められます。形式的な要件を満たしていない場合、却下される可能性があります。
明確な請求内容：請求内容が具体的で明確であることが重要です。「金銭請求」のように漠然とした表現ではなく、「100万円の損害賠償を請求する」といった具体的な金額を明記する必要があります。

実際の裁判例を考えてみましょう。ある会社が製品の納品遅延を理由に契約解除を求めた場合、この契約解除が主たる請求となります。この際、納品遅延によって生じた損害（たとえば、売上の減少や追加費用）を補償するための損害賠償請求が附帯請求に該当します。

裁判所では、主たる請求と附帯請求を同時に審理し、どちらも認められるか否かを判断します。主たる請求が認められれば、附帯請求も自動的に認められる場合が多く、結果として迅速かつ効率的に問題を解決することが可能です。

日常生活においても附帯請求は身近に存在します。例えば、交通事故に遭った場合、加害者に対して治療費や慰謝料を請求することが考えられます。この場合、治療費の請求が主たる請求であり、慰謝料が附帯請求となります。

このようなケースでは、治療にかかった費用を証明するための領収書や診断書が必要となります。また、慰謝料の算定には、事故の状況や被害者の年齢、職業なども考慮されるため、具体的な事情を詳細に記載することが重要です。

附帯請求の種類	特徴
損害賠償請求	主たる請求に付随する損害を補償するための請求。
解除請求	契約の解除を求める際に、解除による損害賠償を同時に求める。
利息請求	借金の返済請求において、元本に対する利息を附帯請求する。